ヒップホップはどこで生まれたのか

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今では有名になった音楽ジャンルのひとつ、ヒップホップですが、実はこの音楽ジャンルは生まれてまだ半世紀も経っていないのです。 ヒップホップが生まれたのは、1970年代初頭のアメリカ、ニューヨークはサウス・ブロンクス地区です。 ブロンクス地区は、元々ユダヤ人自治区といったイメージがあったくらいユダヤ人の多い地区でしたが、1940年代にブロンクス地区の最南端部をブロンクス一の貧民窟であるとした社会福祉士のグループが、その地域をサウス・ブロンクス地区と名づけて以来、荒廃が続き、1970年代から80年代には戦争直後か紛争地帯のような惨状となっていました。大家の逃げ出した廃屋では火災が相次ぎ、またこの地域を縄張りとするマフィアによるヘロインの密売行為も行われていました。

このような悲惨な現状で、当時大流行していたディスコに遊びにく余裕のない大勢の貧困のアフリカ系アメリカ人の若者たちが、それぞれ家からターン・テーブルやレコードを持ち寄り、公園でパーティーをするようになったのがヒップホップの最初の形です。 当時ヒップホップには三人のカリスマが存在しました。その中の一人、後にヒップホップのゴッドファーザーと言われるようになるアフリカ・バンバータによって、”ヒップホップ”という名前は名づけられたと言われています。

このような社会背景によって生まれた音楽ですから、ヒップホップの内容はストリートでの過酷な現状や黒人として生きること、など当時の若者の直面していた困難に対するメッセージ性の強いものから、若者らしいポップなものまで様々です。 しかし、この音楽を通じて自分の思いや考えを伝えていく、というヒップホップの在り方によって、当時の鬱屈していた若者たちが麻薬や暴力に走ること無く、音楽によって自己実現、自己表現を成し遂げていくという道が生まれました。 「黒人差別」というアメリカ特有の複雑な問題が解決するにはまだまだ困難が多く残っていましたが、それでもこのヒップホップという音楽によって多くの若者達が腐ることなく、自分の未来を切り開いていけるようになっていったのです。

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